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反貧困ネットワーク広島設立1年

2010年2月22日(月)朝日新聞・広島地方版

反貧困ネットワーク広島設立1年
 生活に困っている人の自立を支援する「反貧困ネットワーク広島」が設立1周年を迎えた。21日に広島市中区であった総会で、同ネットが支援した広島市在住の男性(39)が報告に立った。男性は、小さいころから貧しさから抜け出そうと、もがいてきたといい、「子供は自分で苦しみを言葉にしないが、何らかの形でSOSを出している」と訴えた。(錦光山雅子)

 生後まもなく両親が別れ、4歳で父とその再婚相手の女性に引き取られた。虐待を受けた。借金の取り立てが頻繁に家に来て、水道や電気がとめられた。風呂に入れず、「くさい」といじめられた。
 中学2年の時、再婚相手の女性が出て行った。父は月に数度しか戻らない。学校給食のパンで空腹をしのいだ。
 
 生活を支えたのは、学校の先生たちだった。弁当を差し入れ、服を持ちかえって洗ってくれた。万引きで捕まると、生活指導者の教師が迎えに来た。寮がある島根県の高校に入学したが、学費が払えず3カ月で中退。その後、盗みで捕まった。少年院で1年半過ごし、父の元に戻った。
 
 再起をかけて定時制高校に入ったが、17歳の時、父は千円札を1枚置いて行方不明に。住んでいた市営住宅は家賃滞納で退去し、定時制高校は辞めた。百貨店の販売や病院の看護、派遣の仕事についた。ためた金で台湾に渡り、現地の旅行会社で働いた。
 
 海外生活が9年を過ぎたころ、父親が危篤という知らせを受け、昨年9月に帰郷。貯金80万円はアパートの入居金や生活費で底をついた。派遣の仕事も1カ月で解雇された。今月上旬、同ネットの相談電話を鳴らした。所持金は200円だった。今は同ネットの支援で生活保護職業訓練を受けている。

 同ネットはこの1年、3回開いた生活相談会で200件近い問い合わせを受け、無料の仮住まいを約50人に提供してきた。弁護士で事務局長の秋田さんによると、当事者の貧困は幼い頃に端を発していることが多いという。

 「頼れる家族や友人もいない、人間関係の「ため」のない人が目立つ」。子供の貧困の連鎖を止める手だてが必要だと強調する。

 この日、講演した湯沢直美・立教大学コミュニティ福祉学部教授も、昨年11月の政府推計をもとに「300万の子供が貧困にさらされている」と指摘した。

 同ネットは会員や寄付金を募っている。

問い合わせ事務局
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